
今回は、株式会社絆ホールディングスが運営する「アトリエ中大江公園前」(大阪市中央区南新町 2 丁目 4-3)
のフランス額装制作の取り組みをご紹介します。

仕上がりサイズを基に細かい仕様書を作成
フランス額装とアトリエ中大江公園前
弊アトリエが作品の展示を始めたばかりの頃、偶然、展覧会にお越しいただいたアーティストからフランス額装の魅力を教えていただきました。その魅力にスタッフたちも共感し、アトリエ所属アーティストの作品をより美しく展示するために技術習得を目指すことにしました。

フランス額装の制作例 1(講師制作)
フランス額装とは?
フランス額装は、絵画や写真を美しく引き立てるための額装技術です。特徴的なのは、額縁の中に複数のマットを重ねることで、作品に奥行きと立体感を与える点です。また、装飾的な要素を取り入れることで、作品自体の魅力と存在感をさらに引き出します。フランス額装は、作品の保護と美観を両立させる素晴らしいものつくり技術です。

フランス額装の制作例 2(講師制作)
実際に形作るためには?
研修では、フランス額装の基本技術から応用技術までを学んでいます。具体的には、額縁の選び方、マットのカット方法、ガラスの取り付け、バックボードの固定方法など、細部にわたる技術を習得します。マットとは、作品と額縁の余白に配置するパーツで、作品の存在感や見栄えを引き立て、保護する役割を果たします。様々な種類や表現があり、幅や色を変えることで作品の印象を変えることも可能です。また、展示空間に合わせた額装の在り方や作品の保護と美観を両立させるためのコツなど、講師から丁寧に学んでいます。

丁寧にマット素材を重ね作品に奥行きを与える

形付け一つ取っても手作業を行います

様々な質感の紙を組み合わせ豊かに表現します

高い精度の作業を求められるため道具にもこだわりが

絵画と親和性の高い額装は作品の世界観をより広げることができます(講師制作)
表現という個性を際立たせる支援のカタチ
まだまだ数名の支援員しかフランス額装を制作するができませんが、将来的にアーティストが自らフランス額装を手がけることができるように取り組み続けていきたいと考えております。障害者アートは、単なる創作活動にとどまらず、アーティストの糧となり、社会とのつながりを深める重要な役割を果たしています。今後も障害者の自立を積極的に支援し、共生社会の実現を目指してまいります。